CWAオクルカエの結成

2013年8月20日 Posted in 産声をあげるまで

カシューナッツを集めることができない、という心配はもうなくなりました。でもカシューナッツ畑をその持ち主と一緒に歩いてみましたが、自己申告と実際にあったカシューの木が大きく違っている家族が数多く見られました。また、手入れがしっかりされているところ、ほとんどされていないところの違いも、顕著に見受けられました。

どうやってこの家族・カシューナッツチームをサポートし、彼ら自身で運営、管理してもらうか、どうやって一緒に協働していくか、ということが次なる課題となりました。

そこで私たちと対等に仕事をする仲間を村に育てていくことを決めました。CWAオクルカエ村チーム編成です。

村長に、若者でやる気があり、仕事がなくて困っていて、将来的には村長のようなリーダーとして成長する可能性のあるメンバーを選んでほしいと頼みました。

しばらくたつと、16歳~19歳の4人が選ばれていました。まだあどけなさが残っていましたが、彼らぐらいの歳になるとタイやプノンペンに出稼ぎに行くのだそうです。

しかし、「自分達の職業経験は、家の手伝いしかない。でもメンバーに選ばれ、村で仕事ができて嬉しい。カシューナッツ(うるし科なので)で手が汚れても荒れても、名誉の汚れとしてがんばりたい」と、力強い言葉。

遺跡群のど真ん中にある元村長の家の裏庭を加工場とすることも決まり、村人による生産、加工への挑戦が、ようやく始まりました。

村の威厳をかけたカシューナッツ生産者編成

2013年8月19日 Posted in 産声をあげるまで

カシューナッツ加工ビジネスの話し合いが終わったあとは、カシューナッツチームを作る段階です。決まった量を収穫し、加工できるようにするため、カシューの生産チームを作ることが必要でした。

その提案をしたとき、村長がすっと前に出て、話し始めました。「お金が儲かると考えるだけの人は、手を上げるのをやめてくれ。失敗したらオクルカエ村の名前にも傷がつく。これは村をかけて、挑む挑戦だ。その事を理解し、覚悟を決めたものだけが、このチームに手を上げて欲しい」。

村長の覚悟は、私たちの覚悟と同じものでした。私たちはその日にチームは決められれば良いと思っていましたが、「明日までにチーム編成のリストを準備しておくので、一日じっくり考えさせて欲しい」という村長の話もあり、慎重に進めることになりました。

次の日は、どうなっただろうと内心、落ち着かず村を訪れると、なんと、10家族の参加表明目標が、17家族も参加してくれることとなったのです。結果、チームも1つだけではなく、2チーム編成とすることとしました。

村のやる気を引き出せるか?

2013年8月19日 Posted in 産声をあげるまで

オクルカエ村でワークショップを開きました。村の人たちや村長、多くの人達が参加してくれました。

私たちは「コミュニティビジネスを通じて、この村に貢献したい、そのために是非、カシューナッツの加工を展開していきたい」と伝えました。なぜなら、この村では村人のほとんどがカシューの木を育てており、そこから毎年少なからず利益を得ているからです。

しかし、村人はカシューを収穫するだけで、加工をしているわけではありません。ただ殻つきの加工されていないカシューをベトナムに売っているだけです。そのため、カシューナッツから得られる利益はほんの微々たるものです。しかも、カシューナッツの加工は、村人にとって全く初めての挑戦です。

村人には質の高いカシューナッツを作り、出荷していくことが、結果的に村人の利益になるという話をしました。ボロボロのナッツではなく、できるだけ見た目がきれいなもので、食べた人が美味しいと思う、カシューナッツを作るのです。村人のカシューナッツ作りへの努力が、いい値段で売れる結果となり、それが循環して仕事作りにも繋がるのだ、と。

村長は私たちのプロジェクトにとても興味を持ってくれ、やる気を示してくれました。私たちの「村のためにカシューナッツの加工に取り組みたい、そして仕事作りを通じて村の人たちの利益を生み出すことに貢献したい」という意思を、彼はちゃんと理解してくれたのです。もしオクルカエ村で加工ができ、きちんとした商品として売り出せるようになれば、この村はコミュニティビジネスが成功した地域として有名になるだろうし、この村のカシューナッツが将来世界遺産登録される村の宝:サンボープレイクックでの名物商品になる日がくるかもしれません。

ビジネスをやる上で一番大事である、村人と私たちの間の信頼関係を構築する、最初の一歩を踏み出すことができました。